リアルタイム (円/グラム)
金価格をどう見るべきか?
金(ゴールド)は、銀行預金のように利子がつくわけでもないのに、なぜ多くの人が重要視するのでしょうか?その答えは、金が持つ特別な2つの役割にあります。
一つ目は「価値を守る」役割です。例えば、インフレで現金(お札)の価値が下がりそうな時、人々は価値が変わらない金を探します。二つ目は「緊急時の金庫」のような役割です。戦争や大きな経済危機など、世の中が不安定になると、投資家は株などのリスク資産から、安全だと感じる金にお金を移す傾向があるのです。
金価格を動かす注目のテーマ
1. 中央銀行が金を買い集める理由
2008年の金融危機以降、アメリカが景気対策として大量のドルを供給したことで、長期的にはドルの価値が下がるかもしれないという懸念が生まれました。これが、資産として金の人気がじわじわと高まってきた大きな背景です。
最近では、米中対立やロシアの情勢などを受け、特に中国やロシアのような大きな国の中央銀行が、「ドルだけに頼るのは少し心配だ」と考え、保険として金の保有量を増やしています。
2. 金価格の10年サイクル説
市場アナリストの間では「金価格には約10年の大きなサイクルがあり、2019年から新しい上昇サイクルが始まった」という興味深い話もあります。もちろん、これは数ある分析の一つであり、未来の価格を保証するものではないので、参考程度に考えておくのが良いでしょう。
3. 円建て金価格を見る時のヒント
私たちが見る円建ての金価格は、実は「国際的な金の価格(ドル基準)」と「ドル円の為替レート」の二つが合わさったものです。もし国際的な金の価格が変わらなくても、円安が進めば、私たちが日本で円を使って金を買う時の値段は上がります。この2つの要素を一緒に見ることが、金価格の動きを正確に理解する上でとても大切です。